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IC乗車券の現状と2010~2020年ごろまでの展望をまとめてご説明する機会がありましたので、その要旨をご紹介いたします。
■ IC乗車券概況2008 ■
利用可能地域
2010年には四国を除きほぼ全国の政令指定都市とその近郊都市でIC乗車券が使えるようになる見通し。2010年時点で確定している利用可能地域は以下の通り。
- JR北海道:札幌近郊区間
- JR東日本:首都圏、仙台市内、新潟市内、福島市内
- JR東海 :名古屋市内、岐阜市内、東海地域
- JR九州 :北九州市内、福岡市内、久留米~大牟田地域
相互利用
SuicaをICOCAエリアで利用するなどの相互利用の対応は進んでいるがまだ不完全。現状はSuicaの相互利用エリアがもっとも多い。詳しくはフォーラム資料の一覧表をご覧いただきたい。
地域跨ぎ利用
現状、新幹線利用を除き上記利用可能地域を跨いで乗車(地域跨ぎ)することはできない。具体例をいえば、Suicaを使って熱海(JR東日本)から隣の函南(JR東海)で下車したり、大宮から在来線に乗って仙台で降りるようなことは出来ない。
いわゆる「地域跨ぎ」が出来ないのにはいくつかの理由(セミナーで解説)があるが、これは2010以降の対応も困難と思われる。
オートチャージ
Suica(ビューSuicaカード限定)、PASMOで対応。ポストペイ方式のPiTaPaはチャージ不要。ICOCA、TOICAは現状オートチャージに対応していない。モバイルSuicaでオートチャージが出来ない点が指摘されるが、これは対応の示唆があって期待される。
EX-IC
EX-IC(JR東海、JR西日本が提供)は、東海道新幹線にICカード(EX-ICカード)でチケットレス乗車できるサービス。エキスプレス予約を使うため同会員になる必要がある。乗車直前まで何度も予約変更が可能で、利用区間によっては従来の切符より格安になるなどの特典がある。ただし対象となる新幹線区間は東海道新幹線(東京-新大阪)のみ。
EX-ICカードは新幹線区間のみに対応しており前後に乗り継ぐ在来線では利用できない。そこで新幹線から在来線に乗り継ぐ場合(または逆の場合)は、Suica(ICOCA、TOICAも可)、あるいは在来線きっぷを併用する。
例えば新幹線から在来線に乗り継ぐ場合、新幹線ゲートではEX-ICとSuica(ICOCA、TOICAも可)の2枚を重ねた状態でタッチして通過する。IC乗車券未対応の在来線に乗り継ぐ場合は、事前に在来線のきっぷを求め、ゲートにきっぷを先に読み込ませてからEX-ICカードを翳す、という難解な利用方法となっている。
なおJR東海のエキスプレス会員は、モバイルSuicaでの利用が可能だ。モバイルSuicaはEX-ICカードと異なり在来線と新幹線を通して利用できる。
モバイルSuica特急券
JR東日本の新幹線区間(東京-八戸、秋田、山形、新潟、長野)で利用可能。
モバイルSuicaの利用者は特別な設定をせずにそのまま利用できる。
乗車前に何度も予約変更ができ、利用区間によっては従来よりも格安になる、などEX-ICとほぼ同等の特典が付与される。
東海道新幹線を利用するには上記の通りJR東海のエキスプレス会員の入会が必要。
「Suicaで新しいライフスタイルを」-JR東日本・ニューフロンティア2008
JR東日本が2005年に発表した中長期計画(ニューフロンティア2008)では、意識改革、事業改革、経営改革の、「3つの改革」に続き「6つの挑戦」を掲げている。「6つの挑戦」の5つめに「Suicaで新しいライフスタイルを提案」とある。
その提案は主にSuicaの利用地域拡大、電子マネーの拡大、モバイルSuica等のサービス拡充、ビュースイカカードの3つ。
あくまで当時の目標値だが、2008年度のSuica電子マネーの利用件数を1日400万件と想定している。今年4月のJR東日本のプレスリリースによれば、PASMOも合わせた電子マネーの取引件数は1日あたり100万件なので、これは未達成だ。
しかし、ICOCA、PASMOとの相互利用や、モバイルSuicaサービスなど、その他の計画はほぼ予定通り実現されている。
「Suicaは第3の柱」-グループ経営ビジョン2020
ニューフロンティア2008の終了を受けて、今年度JR東日本は「グループ経営ビジョン2020-挑む」という中長期経営計画を発表している。それによると2020年までの基本事業として、運輸業、生活サービス事業、Suica事業、の3つを掲げている。
最近は乗車券としてもりよもむしろ電子マネー、クレジットカードとして注目されているSuicaが、経営戦略上極めて重要な施策と位置づけられている。詳しくはJR東日本のウェブサイトに掲載されているのでご覧いただきたい。
https://www.jreast.co.jp/investor/gv2020/index.html
電子マネー概況について大学など各所で講演する機会がありましたので、そのご説明内容の要旨をまとめました。
■電子マネー概況2008■
野村総研は電子マネー(プリペイド電子マネー、ICポストペイサービス)の市場規模が2011年度におよそ2.5~3兆円に成長すると予想。
財務局の報告資料によれば、H19.4~9におけるIC型プリペイドカードの発行額が6,381億円に達している。これは前期(H18.10~H19.4)の2,801億円に比べると2倍以上に膨れあがっている。SuicaやPASMOなどによる物販利用が急増したことに加え、各種電子マネーが大手コンビニやスーパーに相次いで導入したことなどが後押ししていると思われる。
JR東日本の4月24日のプレスリリースによれば、Suica、PASMOの電子マネー利用件数が1日あたり100万件を越えたとある。これを決済端末台数で割ると、決済端末あたり1日30件の利用があることになる。クレジットカードはおしなべて1日1件程度(共同利用端末における取引件数÷端末台数の概算値)なので、Suica、PASMOの電子マネーの利用頻度はクレジットカードの30倍ということになる。
クレジットカードの利用額総額はおよそ32兆円。近年順調に伸びてきているが、それは病院、光熱費、税金など、もともと使えなかった場所での利用が伸びたことが大きい。
電子マネーのチャージやポストペイアカウントをクレジット口座に紐付けることで、最終的にはクレジット利用を増やす効果も期待される。しかし電子マネーの市場規模が2011年度で3兆円とすれば、クレジットの利用額の10分の1以下だ。その全てがクレジットカードに紐尽くわけではないので、クレジットカード利用額への貢献は案外小さいかもしれない。
「電子マネーによる直接的な売上増よりも、電子マネーとクレジットカード口座を紐付けることによるメインカード化が重要」、というカード会社の意見をよく耳にする。メインカード化することで、電子マネーのような小額ばかりでなく、日常生活全ての決済にそのカードを使ってもらうことが本来の目的という訳だ。
その他、フォーラムでは大手コンビニ7社での電子マネー利用状況のご説明や、利用金額のシミュレーションなどを行った。
大学が今週から夏休みに入りました。
今は講師が学期末試験の採点に追われる時期で、今週末が締め切りです。
今年の春学期の講義「eビジネス事情」で紹介、引用した文献は沢山ありますが、その中で比較的ポピュラーなものをご紹介いたします。
(書籍の表紙イメージがほしかったためアフィリエイトで表示してあります。商売目的ではありませんので、どうかご了承ください。またケータイからは見えません)
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